私は、宮地信子、45歳。 先週、夫が、交 通事故に巻 き込まれ、
無念の死をとげた。
子供も、いなかった から、悲しむのは、 私くらい。
もう、涙、出きったから。
そうそう、あれあれ。
「奥さん、あれだけの事故の 中で、こいつは、無傷っすよ。」
なんて、無神経な、人なのかしら。
あの世と、 つながってると かね。
な、わけ、ないか。
電源は、これかしら。
まあ。パスワー ドだわ。
私は、彼にまつわる番号を、
2時間
入れ続けた。
なんで、こんなことに、私、一生懸命に、 なってんの?
ばっかみたい、私。
私、
わたし?
0215。
イヤだ、私の誕 生日だわ。
あなた、ごめんね。
みるわよ、中身。
電話履歴、
やだ、会社と、私だ けじゃない。
メール履 歴、
やだ、私だけじゃない。
写真。
あの人、デジカメとが
持ってないし、
どうせ、からよ。
なに、これ。
ほとんど、私だけじゃない。
いつのまに、撮影し たの?
twitbirdあの人、鳥は、嫌いだったはず、だけど、
なに、これ。
宮下さーん、返事し てください。って、 なに、これ。
なんで、こんな多勢の人達と、 やりとりしてたのかしら。
こんなこと、やってたんだ。あの人。
foursqure
四つ角?
なに、これ。あの人が、行った場所だわ。
あの人、こんな、まめだったかしら。
いつか、信子と、また、来よう。
ってのが、いっぱい。
なに、これ。
あの人の声だ。
「のぶこー。今度、いっしょに来ようなー」
同じようなビデ オばっかり。
「いつか、信子と」
私は、電話機の中 の、小さな四角をあけ続け た。
ずっと、あけ続けた。
あの人の、すべてが、この中にいた。
そして、決心した。
明日から、
あの人のiPhoneと、
いいえ、「あの人」と一緒に旅に出ようと。
それが、あの人の夢だったから。
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